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2022.11.07

製造業とWeb3.0の繋がりとは?


Web3.0が社会に及ぼす影響

Web3.0の登場によって特定のプラットフォームに依存することなく、自立したユーザーが直接相互につながる新たなデジタル経済圏が構築されると考えられています。

データを分散化・暗号化できる技術や、デジタル空間を組成する技術が確立されたことで、インターネット上でもトークンによりデジタルコンテンツの資産性が担保され、これまで無償だったデジタル上の活動でユーザーが“稼ぐ”ことも可能になります。さらにXRなどによる体験価値の向上で、インターネット上にトークンと紐づいた新たなコミュニティが生まれてくるでしょう。

Web3.0の特徴のひとつが、ユーザーとサービスの関係性の変化です。
Web3.0によってユーザーに大きく3つの変化が起きると予想されています。

一つが「Webサービスのユーザーになると同時に、自ら望めば、そのサービスの開発や運営に参加する道が開かれる」。
二つ目に「参加方法として、出資など金銭的な方法だけでなく、アイデアの提供やサービス運営のサポートなど非金銭的な方法も選択できる」。
三つ目が「参加し、貢献した対価として、金銭や運営(ガバナンス)に関与する権利など、何らかのインセンティブを得られるようになる」です。

個々のユーザーが持つクリエイティビティやスキルを活かし、サービスに主体的に関与することで関係性の強固なデジタル経済圏や、新しい組織ガバナンスやプロジェクト遂行の形が生まれると考えられます。

Web3.0を支える技術

NFT

NFT(Non-Fungible Token:⾮代替性トークン)とは、デジタルコンテンツの所有状態を改ざんが困難なブロックチェーン上に記録し、発⾏される権利の証明書(トークン)のことです。半永続的に権利を証明することができ、NFTを売買することも可能です。

DeFi

DeFi(Decentralized Finance:分散型金融)とは、ブロックチェーンを活用することで金融事業から運営者を排除した、非中央集権型金融システムを指します。
仮想通貨などが有名ですね。

メタバース

メタバース(Metaverse)とは仮想現実空間を利用し、ユーザー同士のコミュニケーションや現実さながらの生活を可能にする世界を指します。

製造業への影響

Web3.0へのシフトによって社会がより“個”を重視する時代が到来します。
これは顧客のマイクロ化を意味します。
顧客のマイクロ化により、製造業はニーズの多様化に対応せざるを得なくなります。

大量生産によるコスト削減をはかってきた製造業は、量産並みのコストでより多品種少量への対応を迫られ、物流も適時の配送になり、ロジスティクスもマイクロ化してゆきます。
いわゆるフィジカル・インタ-ネットをトリガーとしたマス・カスタマイゼーションへの対応可否が、製造業の存続を左右すると言っても過言ではないでしょう。

これまで見てきたようにWeb3.0は有望なビジネス領域ですが、対応を迫られる製造業は、受注生産、特注に舵を切らざるを得なくなる改革の必要性を意味します。

しかし、その改革こそが下請け構造から脱却し、個々の企業の強みを活かした水平方向の連携構造への転換のチャンスです。

企業変革の目指すべき姿も現在の課題を解決するだけではなく、未来を見据えた企業変革を実施してゆくよう検討してみては如何でしょうか。

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