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2025.08.15

サイト多言語化の基礎講座~手動翻訳と自動翻訳ツールのポイント徹底解説~


はじめに

  • 自社のWebサイト(ホームページ)を外国語に翻訳対応させたい
  • 海外のお客様にも商品を知ってもらいたい
  • 事業の海外展開を行うためWebサイトを多言語化対応したい

このような課題をお持ちではありませんか?
現在多くの外国人観光客が日本を訪れ、訪日前にインターネットで情報収集を行っています。
実際に、コロナ禍前の2019年には年間3,188万人の訪日観顧客がいました。また、越境EC市場は年々拡大しており、2023年には世界のEC市場規模が6兆ドルを超える規模まで成長しています。

インバウンドビジネスが活気を見せる中、Webサイトの英語への翻訳に始まり、中国語、スペイン語、韓国語など複数の言語に対応させる多言語化対応の需要が増していると言えるでしょう。

そこで本記事では、運用中のサイトを多言語化する際の基本から、具体的な方法、プロの手動翻訳と自動翻訳ツールのメリット・デメリットまで、はじめて取り組む方にもわかりやすく解説していきますので、ぜひ、最後までチェックしてみてくださいね。

Webサイトの多言語化とは

Webサイトの多言語化とは、日本語で作られたWebサイトを英語や中国語など、他の言語でも見られるようにすることです。例えば、あなたのお店のWebサイトに来た外国人観光客が「English」ボタンを押すと、ページの情報すべてが英語で表示されるようになります。

Webサイトの多言語化のイメージ
サイトの多言語化イメージ

Webサイトを複数の言語に翻訳できると、どんな効果があるの?

海外のお客様に見つけてもらいやすくなる

外国人が英語で商品を検索したとき、あなたのサイトが英語対応していれば、海外の検索エンジン上の検索結果にも表示されやすくなります。

外国人観光客の集客ができる

レストランや宿泊施設なら、外国人観光客からの予約が増える可能性が高まります。インバウンド需要の高まりと共に、多くの施設がWebサイトの多言語化を行い始めている状況です。早めに対応を行うことで、競合他社に対して一歩リードできるかもしれません。
また実際に多言語化後に外国人客が3倍に増えたという事例もあります。

会社の信頼性がアップする

海外の取引先や、見込み顧客、投資家から見て、多言語対応している会社は「グローバルに事業を展開している信頼できる会社」という印象を与えることができます。

新しいビジネスチャンスが生まれる

今まで日本国内だけだった市場が、世界中に広がります。特にニッチな商品やサービスの場合、海外に熱心なファンがいるかもしれません。
上記のように、Webサイトを多言語化するだけでも多くのビジネスチャンスが生まれる可能性があるのです。

多言語化を始める前に検討するべきこと

①ターゲット言語の選定

どの言語に翻訳するかは、あなたのビジネスの特性や顧客層によって決まります。

一般的な優先順位

英語:世界共通語として最優先
中国語(簡体字・繁体字):母語話者数では世界1位。巨大な市場規模
スペイン語:母語話者数では世界2位
韓国語:日本との親和性が高い
タイ語、ベトナム語:東南アジア市場向け

②翻訳すべきページの優先順位

すべてのページを一度に翻訳する必要はありません。効果の高いページから順番に取り組むことで、投資対効果を最大化できます。

優先度の高いページ

トップページ
会社概要・サービス紹介
主力商品・サービスの詳細ページ
全ページの可能性も

優先度の低いページ

日本国内向けの細かな規約
社内向けの情報
頻繁に更新される日本のニュース

③多言語化の方法

多言語化の方法には大きく分けて、以下の2種類があります。

  • プロの翻訳者等による手動翻訳
  • 翻訳ツールを使用した自動翻訳

それぞれの初期費用の目安

  • 手動翻訳:50万円〜300万円(言語数・ページ数による)
  • 自動翻訳ツール+手動翻訳:30万円〜150万円
  • 自動翻訳ツール:月額1万円〜10万円

必要日数の目安

  • 手動翻訳:非常に多くの対応日数がかかる
  • 自動翻訳ツール+手動翻訳:自動翻訳ツールにプラスアルファの日数がかかる
  • 自動翻訳ツール:対応日数がもっとも少ない

予算とスケジュールに応じて、適した多言語化の手段を選びましょう。
判断に迷う場合は、弊社でもご相談承っております。

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翻訳者による手動翻訳の場合

メリット

翻訳の品質が高い
専門知識を持った翻訳者に依頼すれば、業界の専門用語やニュアンスも正確に伝えられます。「高級感のあるブランド」の雰囲気も損なわれません。また、単純な言語変換だけでなく、その国の文化や商習慣に合わせた表現に調整できます。例えば、日本では謙遜表現が好まれますが、欧米では自信を持った表現の方が効果的です。

②SEO最適化が可能
各言語での検索キーワードを調査し、それに合わせた最適化ができます。これにより、検索エンジンからの流入を最大化できます。

デメリット

技術的な知識が必要
プログラミングの知識と翻訳スキルの両方が必要で、普通の会社では対応が難しいのが現実です。

②システム開発が必要
「日本語⇔英語」の切り替えボタンを作ったり、データベースを言語別に準備したりと、複雑な作業が必要です。

③作業量が膨大
英語版、中国語版、韓国語版…と言語の数だけページを作る必要があり、作業量が何倍にもなります。新商品を追加するたびに、すべての言語版を更新する必要があります。
3言語対応なら3倍の更新作業が発生します。

④専門スタッフが必要
各言語に詳しいスタッフを雇ったり、継続的に翻訳を依頼したりする費用がかかります。

Webサイト翻訳ツールを使用した自動翻訳の場合

メリット

費用と手間を大幅削減
システム開発の費用や継続的な管理の手間を大きく減らせます。

②すぐに始められる
自動翻訳機能により、今日申し込んで来週には多言語サイトが完成、ということも可能です。

③翻訳の精度が向上している
AI技術の進歩で、以前に比べて自然な翻訳ができるようになっています。また、よく使う単語は辞書に登録して精度を上げることもできます。

④操作が簡単で更新も楽ちん
専門知識がなくても、管理画面から簡単に設定や修正ができます。
日本語版を更新すると、自動的に他の言語版も更新されるツールが多いです。

デメリット

完璧な翻訳ではない場合がある
AI翻訳のため、たまに不自然な表現や間違った翻訳が出る可能性があります。重要な部分は人間がチェックすることをおすすめします。

月額料金がかかる
ツールの利用料が毎月発生しますが、自分で全部やるコストと比べれば安いことが多いです。

詳しいツールの比較検討については、「初心者でも迷わない!WEBサイト多言語翻訳ツールの選び方」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

まとめ

ステップ 1:まずは現状を把握しましょう

運用しているWebサイトの想定ユーザーが使用しているであろう言語を考え、翻訳対応する言語を選定します。
どんなページを優先して見てほしいかによって翻訳する対応ページを決めます。
トップページ
会社案内/お店の紹介
主力商品 etc…

ステップ 2:翻訳する方法を選びましょう

手動翻訳と自動翻訳ツールのそれぞれのメリット、デメリットを把握します。
お金をかけたくない場合:自動翻訳ツールから始める
品質を重視したい場合:専門の翻訳会社に相談
迷ったら:まずは英語の自動翻訳から始めて様子を見る

ステップ 3:実際に動かして改善しましょう

外国人の友人に見てもらう
不自然な翻訳があったら修正する
お客様の反応を見ながら少しずつ改善

おわりに

多言語化は一度設定したら終わりではなく、継続的な改善が成功の鍵となります。翻訳の精度向上や新しいコンテンツの追加など、定期的なメンテナンスを通じて、より多くの海外顧客に価値を提供できるようになります。

多言語化をスタートさせることで、これまで接点のなかった世界中の潜在顧客があなたのサイトを発見し、「まさに探していた商品です!」「素晴らしいサービスですね」といった反応が届くようになるでしょう。その第一歩は、思っているよりもずっと身近なところにあります。

手動翻訳か自動翻訳ツールか、どちらを選ぶべきか迷っている方も多いでしょう。予算や目的、運用体制によって最適な選択肢は変わります。特に翻訳ツールを検討されている場合は、機能や価格、使いやすさなど様々な観点から比較検討することが重要です。

具体的な自動翻訳ツールの選び方については、以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。


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この記事を書いた人

大中 一晃

営業 / ディレクター

《 仕事で大切にしていること 》
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聞く:常に聞く耳と姿勢を持つ(本当のニーズを理解するため、自分が学ぶために)
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