2025.08.21
UIトレンド比較!モーフィズム系デザインの特徴|クレイモーフィズム編

透明感のある「グラスモーフィズム」、そして柔らかな陰影が印象的な「ニューモーフィズム」。
これまで、モーフィズム系デザインの進化を追いかけてきました。
シリーズ最後となる今回は、ふんわりとした質感と立体感で、まるで粘土細工のような温かみを演出する「クレイモーフィズム」にフォーカスします!
グラスモーフィズムの記事はこちら
クレイモーフィズムとは?
粘土のような立体感とポップな色使いが特徴のデザインスタイルです。
ニューモーフィズムと何が違うの?と思った方がいるかもしれないのでご説明すると、
ニューモーフィズムは背景と一体化した凹凸表現、クレイモーフィズムは背景から浮かぶような立体感が特徴です。
要素に厚みのあるシャドウと丸みを加えることで、やわらかく親しみやすい3D要素を表現します。
近年、エンタメや子ども向けアプリを中心に注目を集めています。

出典:Pinterest
①粘土のような立体感
厚みのあるオブジェクトやボタンで、ふっくらとした手触り感を演出します。
②カラフルでポップな配色
明るくビビッドな色使いで、楽しい印象や個性を強調します。
③大きめのドロップシャドウや丸み
強めのドロップシャドウや丸みのある形状で、奥行きと温かみを感じさせます。
実例紹介
株式会社amber

出典:株式会社amber
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デザインに取り入れる際のメリット・デメリット
クレイモーフィズムをデザインに取り入れる際のメリットとデメリットをご紹介します!
①親しみやすさと安心感を与えられる
ふんわりとした立体感やカラフルな配色により、ユーザーに明るくフレンドリーな印象を与えることができます。堅苦しさがなく、感情的なつながりを生みやすいデザインです。
②ターゲット層との親和性を高められる
視覚的にわかりやすく、楽しさや安心感を演出できるため、子ども向けアプリや教育系サービスとの相性が抜群です。遊び心を取り入れたいプロダクトにも適しています。
①カジュアルすぎる印象を与えることがある
柔らかい雰囲気が特徴のため、フォーマルさや信頼性を求められる場面ではミスマッチになる可能性があります。使いどころには注意が必要です。
②情報の視認性やUIに影響を与えることがある
強い立体感やカラフルな配色により、要素の視認性やUIの直感性が損なわれるケースもあります。特に複雑な操作が求められるインターフェースでは注意が必要です。
基本の作成手順
今回はIllustratorを使ってイラストを3Dにしていきます!
しっかり作り込みたい方はBlenderなどの3Dソフトで制作してみてください。
ボタンなどの簡単なUIでしたらFigmaでも作ることができます。
作り方はこちらの記事を参考にしました。詳細を見たい方はご覧ください。
イラストを用意する
Illustratorでイラストを作成します。3D効果をかけていくのでここではなるべくフラットでシンプルなイラストが好ましいです。作成したら1つのグループにまとめておきましょう。

3D効果をかける
上部メニュー「ウィンドウ」>「3Dとマテリアル」を選択し、「3Dとマテリアル」の設定パネルを開きます。
開くと「オブジェクト」「マテリアル」「ライト」のタブが別れていますので、お好みで調整してください。
オブジェクト・・・3Dの形状や角度を調整
マテリアル・・・質感を調整
ライト・・・照明の明るさ、角度、影を調整
今回は以下ように設定しました。
オブジェクトタブ
奥行き・・・6%
ボリューム・・・100%
マテリアルタブ
粗さ・・・0.4
メタリック・・・0
ライトタブ
プリセット・・・標準
カラー・・・#ffffff
強度・・・100%
回転・・・145%
高さ・・・45%
柔らかさ・・・90%
環境光強度・・・70%
ライト タブの右上にある「レイトレーシングでレンダリング」アイコンをクリック
完成!

文字を3Dにする
同じようなやり方で文字も3Dにすることができます。文字の場合はアウトライン化をするのを忘れずに。
「STARKID」の文字をぷっくりとしつつ、少しメタリックな質感にしてみたいと思うので以下の数値に設定しました。
オブジェクトタブ
奥行き・・・0%
ボリューム・・・100%
マテリアルタブ
粗さ・・・0.4
メタリック・・・1
ライトタブ
プリセット・・・標準
カラー・・・#ffffff
強度・・・70%
回転・・・145%
高さ・・・35°
柔らかさ・・・40%
環境光強度・・・59%
最後に文字が斜めになるように角度をつけ、背景に星の3Dイラストを加えました。

まとめ
モーフィズム系デザインは、フラットデザインでは表現しにくかった「質感」や「奥行き」「親しみやすさ」をUIに取り入れる、新しいアプローチです。
グラスモーフィズムの透明感、ニューモーフィズムのやわらかな凹凸、クレイモーフィズムの温かみのある立体感。それぞれの特徴を理解して使い分けることで、より魅力的なUIがつくれます。
UIのトレンドはどんどん変わりますが、「どんな質感が気持ちいいのか」「どうすれば伝わるか」を考えるうえで、モーフィズム系のデザインスタイルはとても良いヒントになってくれると感じました!
最後まで読んでいただきありがとうございました!

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