TOPICS

2025.08.29

WEBサイトを他言語化する際のデザインの注意点


WEBサイトを他言語化する際のデザインの注意点

はじめに

WEBサイトを多言語化する際、翻訳そのものに注目しがちですが、実は「デザイン面」での工夫が成否を大きく左右します。そのため、翻訳が正しくてもデザインが合わなければ、ユーザーに違和感や不便さを与えてしまうのです。

本記事では、初心者の方でもすぐに活用できるよう、デザイン面で特に注意すべきポイントをチェックリスト形式で紹介します!

Webサイトの翻訳を検討し始めたばかりの方は、
サイトを多言語化する際の基本から具体的な方法、プロの手動翻訳と自動翻訳ツールのメリット・デメリットまでをわかりやすく解説した以下の記事を、ぜひチェックしてみてください!

言語切り替えの分かりやすさ

多言語サイトに訪れるユーザーにとって、まず大切なのは「自分が読める言語にすぐ切り替えられること」です。

✅ ページ上部やフッターに「言語切り替えメニュー」を設置しているか
✅ 言語を示すアイコンに「国旗」を使わずテキストで言語名を明示しているか(1つの国が複数の公用語を持っているケースがあるため)

実際のWebサイトではさまざまなUIパターンが使われています。
代表的なものが「スイッチ方式」「テキスト表示方式」「プルダウン方式」の3つです。
それぞれの特徴や使い分けなどを見ていきましょう!

言語切り替えボタンのUIパターン

スイッチ方式

「JP/EN」「日本語/ENGLISH」など、2言語を切り替える方式です。
どちらの言語が選択中かを明確に示せるため、2言語に特化したサイトではわかりやすく効果的です。
ただし、どちらの言語が現在表示されているのかを色や下線などデザインで明確に示さないと混乱を招く恐れがあります。

野村不動産

テキスト表示方式

「English」「日本語」といった切り替え先の言語を、シンプルにそのまま表示する方式です。
読める単語だけが自然に目に入り、外国人ユーザーにとって直感的に理解できます。ただしスイッチ方式とは違い、言語1つのみの表示となるので「EN」などの略称は避けたほうが良いでしょう。
地球儀など言語切替を想起させるアイコンを置くのもわかりやすいです。

KIRIN

プルダウン

複数の言語に対応する場合に主流となる方式です。
「Language」といった共通ラベルを付け、プルダウン内に「English」「日本語」など言語名を明記します。
初期表示は「Language」と英語で表記するのがベターです。(「日本語」とすると非日本語ユーザーに伝わりにくいため)
拡張性が高く、将来的な多言語展開を見据えた選択肢として最も適しています。

集英社

ポイント

ユーザーは「自分の言語に素早く切り替えられるか」で安心感を得ます。
操作に迷わせないことが第一優先です。


多言語対応でも崩れないUIの工夫

言語が変わると、文字数や読み方向、テキスト管理の方法によってUIが大きく崩れることがあります。
特に多言語サイトでは、レイアウトを柔軟に設計しておくことが大切です。

✅ 英語やドイツ語で文字数が増えても、ボタンや見出しが崩れないか
✅ テキストを画像に埋め込まず、コーディングで編集可能にしており、差し替えや更新がスムーズにできるか
✅ アラビア語やヘブライ語など「右から左」に読む言語でも、UI全体が自然に反転できるようになっているか

右から左へ読み進める言語では、単にテキストの方向を変えるだけでは不十分です。
ボタンやアイコンの位置、ナビゲーションの並び順、ページ全体のフローも左右反転する必要があります。
デザイン段階から「左から右」「右から左」の両方に対応できるレイアウト設計を意識しておくことが重要です。

ジョージタウン大学 カタールキャンパス

ポイント

各言語の文章量に柔軟に対応できるデザインを意識しましょう。
特にCTAボタンやナビゲーションの崩れは離脱率に直結します。


フォントと可読性

言語が変わると、見え方や読みやすさに大きな違いが出ます。
欧文と日本語では文字の幅や余白感がまったく異なり、中国語やタイ語などは画数や記号の多さでバランスが変わります。そのため、多言語サイトでは「どの言語でも自然に読めるか」を意識したフォント選びが欠かせません。

✅ 多言語対応フォントを利用しているか
✅ 各言語で文字のサイズ感が読みやすいか確認しているか
✅ 行間や余白を調整し、詰まりすぎたり間延びしたりしていないか

特にWebフォントは、利用環境によらず安定した表示が可能で、多言語サイトに最適です。
Googleが提供する Noto Fonts はその代表例で、1,000以上の言語に対応し、100以上のフォントウェイトとスタイルを揃えています。これにより、コンテンツのトーンや用途に合わせて最適なスタイルを選ぶことができ、ユーザーにとって最高の読みやすさと視覚体験を提供できます。

Google Fonts

ポイント

「読みやすさ」は言語が変わっても共通の基本です。
他言語と混在した場合でも美しく見えるか確認する必要があります。



文化や国ごとの違いに配慮

デザインの要素は、文化によってまったく異なる意味を持つことがあります。
すべてを完全に把握するのは難しいですが、誤解や不快感を与えないよう、可能な限り配慮することが大切です。

✅ 使用している色がターゲット国で不快な意味を持たないか
✅ 写真やアイコンが文化的に適切であるか(ジェスチャー・シンボルに注意)

ポイント

日本で自然に見える表現も、海外では誤解や不快感を与える場合があります。
例えば「白い花」は日本では清潔や平和の象徴ですが、国によっては葬儀を連想させることもあります。
こうした文化的背景を理解することが、安心して利用できるサイトにつながります。



他言語ページでも統一感を保つ工夫

多言語化されたページでよくある失敗のひとつが、「日本語ページでは丁寧に見えたのに、翻訳されたページはなんだか安っぽい・違和感がある」と感じさせてしまうことです。
ユーザーに安心感を与えるためには、翻訳後もブランドの印象やUIの整合性が保たれていることが重要です。

✅ 各言語ページでレイアウトやデザインのトーンが統一されているか
✅ ロゴ、ナビゲーション、フッターなど、共通UIが言語ごとに微妙に変わってしまっていないか
✅ 一部言語ページで画像やアイコンが未対応・不自然になっていないか

ポイント

言語ごとに見た目や構造が不揃いになると、ユーザーは「この言語には対応が不十分なのでは?」と不安を感じます。
一貫性のあるデザインとブランド表現を全言語でキープすることで、信頼性が損なわれるのを防ぎ、安心してサイトを利用してもらうことができます。



まとめ

WEBサイトの多言語化において、翻訳精度だけでなくデザイン面での配慮がユーザー体験を大きく左右します。
言語が変われば文字数や読み方向、文化的な意味合いまで変化するため、UIやレイアウトの柔軟性、一貫性のある表現、そして直感的にわかりやすい導線設計が重要です。

今回ご紹介したチェックポイントを意識することで、多言語化対応でも崩れず、使いやすく、「信頼されるサイト」を実現することができます。
多言語対応は単なる翻訳作業ではなく、「相手の文化や使い方に寄り添うデザイン」の積み重ねです。
ユーザーにきちんと伝わる、そして不安を感じさせない設計を目指しましょう!


参考サイト
言語切り替え機能のUIデザインについて考える〜分かりやすさと使いやすさの共存
多言語対応UIを作るときのポイントを知っておこう

他言語化対応に関するその他の記事


いいねありがとうございます!

この記事を書いた人

兼子 美桜

デザイナー

《 仕事で大切にしていること 》
表面的なデザインになっていないかということを常に意識して制作しています。
見た目の良さを考えるのと同じくらい制作の目的を考え、クライアントのニーズに応える本質的なデザインをしていきたいです。

CONTACT

お客様のお悩みを聞かせてください。お気軽にご連絡ください。

PAGE TOP